マーケティングコラム

2012年07月27日

BtoBビジネスにおける成果につながるメール活用のポイント&注意点

ECサイトなどのBtoCビジネスを中心に、メールはマーケティングの中核施策の1つとして確固たるポジションを獲得し、必要不可欠な存在となっている。他方、BtoBビジネスに目を向けると、これまではマーケティング自体への取り組みが遅れている企業も多く、メールを積極的に活用している企業は限られていた。しかしながら、メール配信機能を持ったSFAやキャンペーンマネジメントシステム・名刺管理ツールの普及、リードナーチャリングというワードの浸透などの影響もあり、近年はBtoBビジネスを行う企業においてもメールの活用意欲は高まってきている。

このような背景から弊社へも多くの問い合わせをいただいているが、BtoBビジネスにおけるメールの活用には、BtoCとは違った側面・考え方があることは理解しておく必要がある。活用方法を間違えると成果が見えず、単なる業務負荷の増加としかとらえられなくなるが、一方で、うまく活用することによって大きな成果を上げている企業があるのも事実である。

そこで今回は、BtoBビジネスにおけるメール活用について、あらためて基本的な考え方を整理したい。(BtoBビジネスにも様々なものがあるが、今回対象としているのは営業が訪問をしてクロージングを行うものである)

BtoBビジネスのマーケティング施策としてメールが優れている理由

メールの特長については、詳しくはコラム『メールの6つの特長』をご覧いただきたいが、BtoBビジネスに限定すれば、以下のような点が挙げられる。

  1. プッシュ型である
  2. 個別にアプローチできる
  3. 低コストで多くの方とコミュニケーションできる
  4. 効果検証が可能である
  5. タイミングを意識したアプローチが可能である

また、上記はメール単体で見た際の特長であるが、さらに、「他の施策との相乗効果を発揮しやすい」という点も大きなメリットである。

メール単体で考えるのではなく、事業戦略の中でどう位置付けて活用するか

様々な企業の担当者と話していると、メールをBtoBビジネスに活用することについて有効だと考えていない方もいらっしゃるようだ。「私たちのサービスはメールを送ったところで、そのメールから製品やサービスが売れるようなものではない」という発言はある側面では正しい。一方で、このような考えには大きな危険性を感じる。これはメールに限ったことではないが、BtoBビジネスにおいて様々なマーケティング・営業施策をそれ単体で考えて有効かどうかを判断するのは、必ずしも正しいやり方ではないからである。

そこで、ここではメールの効果を考えるために重要な視点として『最終成果への間接的貢献』、『メールの強みを活かせる形での役割設定と相乗効果の発揮』の2つをご紹介する。

(1)最終成果への間接的貢献

これは、広告業界などで言われてい“アトリビューション”の考え方に近いが、メール施策を行う際は、「最終成果への間接的貢献」を意識しておく必要がある。

受注など、ビジネス成果へ結びつく最終(または最終に近い)接触機会のみを評価すると、営業訪問やコール・セミナーのようなアポイントメントに直結する施策、広告出稿などの問い合わせへ直結する施策を重視するようになる。しかし、営業訪問や受注までの過程においてはPRやメールといった施策によって何かしらの接触機会を持っているケースが数多く含まれている。これらが全くない状態ではその会社の存在すら知られることがない可能性が大いにあり、その場合、当然営業の訪問や受注といったプロセスへ繋がる前の段階で見込客が離脱してしまうことが予想される。

このようなケースは可視化することが難しいため、PRやメールといった施策の有効性が理解されづらくなることへと繋がっている。しかし、企業・サービスの認知から受注までのプロセスにおいて、これらの施策の貢献度が高いということは、認識しておきたい。

(2)メールの強みを活かせる形での役割設定と相乗効果の発揮

メールは万能な施策ではない。BtoBビジネスにおいて、いかに高度にメールを活用しようとも、メール活用のみで大幅な売上を獲得することは現実的に難しい。では、メール活用で成果を挙げている企業はどのようなことを行っているのだろうか。

一言でいえば、メールの強みを活かせる形で役割を設定し、他の施策と組み合わせることで成果に繋げている。

例えば、メールの強みである“プッシュ型かつ低コストで多くの方とコミュニケーションできる”という点を活かして、メールにて定期的な情報提供を行い、“効果検証が可能である”という点を活かし、メールをクリックしたユーザー向けにコールをする、といった具合である。

メール単体で最終成果を目指すのではなく、様々なマーケティング施策や営業施策を俯瞰し、それぞれの施策の長所・短所を明確化した上で、メールの長所を活かせる役割を設定し、他の施策と組み合わせることで、成果へ繋げるというアプローチである。

BtoBビジネスにおける効果的なメールの活用例

A)季節商材の販売機会へ備えた定期コミュニケーション

弊社で新卒採用関連サービスを行う某企業を支援した際の事例である。新卒採用は商談タイミングが毎年一定のタイミングに決まっている。そのため、それ以外の時期に接触があった場合、営業担当者がどれだけ頑張っても、次の商談タイミングまでは具体的に話が進まない状況になる。

ここで重要となるのは、次の商談機会までにどのようなコミュニケーションをとるかである。営業スキルの低い担当者は、例え重要だとわかっていても、「定期的なコミュニケーションをとり、商談タイミングになった際にアポイントメントを設定して受注へと結び付けていく」という部分の力が弱い。この定期的なコミュニケーションという点において営業スキルの低い担当者を支援し、営業スキルの高い担当者の業務負荷を下げることができれば、高い価値を提供できる。

このケースでは、“低コストで多くの方とコミュニケーションできる”というメールの強みを活かし、メールで定期的な接触機会を設け、自社のノウハウを紹介しつつセミナーなども絡めることにより、商談期間以外のタイミングのうちに自社とサービスをアピールして期待値を高めるという施策を行った。その結果、いざ商談タイミングとなった際に確実にアポイントメントを勝ち取ることができ、大きな成果につながった。

B) クライアント事情で発生する商談タイミングを捉える

企業のインフラや基幹システムに関連する製品やサービスは、主にクライアントが現在利用しているサービスの契約期間などの事情で次の検討タイミングが決まる。そのため、クライアントの次の検討タイミングをうまくとらえることが重要となるが、商談規模が大きく個別に営業担当が付いて定期的にコミュニケーションをとっている状態でない限り、次の検討タイミングを漏れなく聞き出しておくことは実践できないケースが多い。また、特に商談金額が小さい製品・サービスの場合、刻々と状況が変わるクライアントに対して常にコンタクトして情報をアップデートすることは効率面でも割に合わない。

このようなケースでもメールを活用することができる。例えば、定点観測のアンケートをメール+ウェブフォームにて実施し、設問内に次回検討タイミングのヒアリング項目を入れておく。さらには、入力された検討タイミング(の数ヶ月前)に営業担当者のメールアドレスをFromアドレスに設定したメールを一括で配信し、コンタクトを取るといった具合である。

C)退職者を発見して後任の担当者と接点を持ち、商談へと繋げる

常に商談が動いているケースでは問題はないが、一定期間取引が停止していると、知らぬ間にクライアントの担当者が退職しているケースが発生しうる。適切なタイミングでアプローチできれば後任の担当者と接点を持つことができるが、タイミングを逃すとクライアントとの関係性が完全に切れてしまうリスクがある。

こういったケースで、仮にメールマガジンを配信していたとすると、担当者の退職に気づくことができる。なぜなら、どのメールアドレスが配信エラーとなったかがわかるためだ。

一般的に、企業においては、部署が異動しても担当者のメールアドレスは変わらないことが多い。BtoBビジネスのメール配信においてはモバイルアドレスはほとんどないため、受信者ブロックの危険性も小さく、高機能なメール配信システムであればエラーが発生してメールが届かないケースは考えづらい。その上でメールが配信エラー(中でも一次的なものでなく恒久的なエラー)となるケースは、担当者が退職した場合である可能性が高い。

配信エラーとなったメールアドレスを確認してコンタクトを取ることで、後任の担当者との接触機会を持ち、さらには新たな商談へと繋げることができるかもしれない。

BtoBビジネスにおけるメール活用の注意点

これまで、BtoBビジネスにおいてどのようにメールを有効に活用するかについてご紹介してきたが、今度はBtoBビジネス特有のメール活用の注意点にについて紹介したい。

ž●HTMLメールの表示崩れ

BtoCビジネスにおいてHTMLメールは広く受け入れられ一般に普及してきており、今やBtoBビジネスにおいても様々な企業がHTMLメールを配信している。TEXTメールと比較してHTMLメールは画像や色が利用でき、それによって図表などの掲載も可能で、反応率もよい。

ただ、注意しなければならないのは、ブラウザと違ってメーラー・メールソフトの仕様は統一化されていないため、HTMLメールを配信すると表示崩れが発生し、特に多くのBtoBビジネス展開企業で利用されているあるメーラーでは大きな崩れが発生しやすい。

これに対応するためには、複数のメーラー・メールソフトのHTMLタグの記述と表示の傾向(ルール)を把握し、それに対して適切に対応する必要がある。

ž●様々な場面で新規メールアドレスを獲得し続ける必要がある

メール配信費用は非常に安価であり、また鮮度の高いメールアドレスほどレスポンスがよいことを考えると、積極的に新規メールアドレス獲得を実施していくことは欠かせない。当然ではあるが、どんなに優れたメールの活用方法を考えたとしても、配信先となるメールアドレスリストが枯渇していては、成果には繋がらない。

日々の名刺のデジタル化はもちろんのこと、例えばアウトバウンドコールを実施する際もアポイントメントやセミナー申込だけをゴールにせず、メールアドレスをヒアリングして定期的な情報配信の許諾を取っていくことで、メールアドレスリストはさらに充実したものになっていく。

メールマーケティングを検討する際は、その施策単体で考えるのではなく、「事業展開においてマーケティング・営業としてどういった取り組みをしていくべきか」「そのためにメールを活用するとしたらどのようにすれば成果へと繋がるか」という視点で考えていくことが重要である。

BtoBビジネス特有のメール活用においては、奇を衒った施策ではなく、ベーシックな取り組みを積み上げていくことが成功への最短の道である。地道な実行と改善を続け、ぜひ成果創出へと繋げていっていただきたい。

エクスペリアンジャパンでは、様々なBtoBビジネス展開企業のメール活用を支援した実績があるため、社内で行き詰った時には、ぜひお問い合わせいただきたい。

2012年7月26日
(執筆者:柴田 隆司)

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