今回は、メールコミュニケーションにおけるPDSサイクルの「Plan編」「Do編」に続く「See編」として「効果検証」に関して解説したいと思います。
よく「Plan→Do→Seeサイクルを回すことが大切だ」と言われます。特に外部環境の変化が激しいインターネットマーケティングに関わっている と、次々に新しいことを企画し、それを実施した結果を検証して、また企画にフィードバックするということが重要になってきます。
しかし「See」については、それほど深く突っ込んで行われていないのが実情ではないでしょうか。
メールマーケティングで言えば、配信ごとの開封率やクリック率のみを確認して終わっている企業が多いようです。
確かに、配信ごとの開封率やクリック率は重要な指標であり、もっとも気になる指標であることは間違いありません。しかし、それだけでは、効果的なメールコミュニケーションを実現するために見るべき指標としては不足しています。
まず、開封やクリックの状況を深く分析しても詳細には把握できないことがたくさんあります。
読者がメールを受け取ってどのように感じているかということ、例えば「このメール、長過ぎるなあ」とか、逆に「こんな情報をくれると嬉しいのに」というような思いは、なかなか開封やクリックなどの指標ではわかりません。
そのような情報を読者からもらうためには、アンケート調査が有用です。
読者向けのアンケートで、
などについての質問項目を設定することで、読者の思いを把握することが可能になります。
また、そもそもメールコミュニケーションには、「見込客・顧客に対する製品/サービスの認知度向上」、「製品/サービスの購買促進」、「ブランドイメージの向上」などの目的があります。
一方で、開封やクリックというのは、「まずはメールを読んでもらわないことには始まらない」「クリックしてもらってはじめてコマースサイトで買い物ができる」という認識に基づいて、中間的な指標として設定されているものです。
もちろん、開封とブランディング、クリックと購入には関係があると考えられますが、クリック率は高くてもあまり売れなかったというようなことも起こ りえます。つまり、開封率やクリック率という中間指標を日常的にチェックしつつも、あらためてメールコミュニケーションの最終目的を意識して効果検証を行 う必要があります。
これらの検証は、たとえば、年に一度、読者向けにアンケートを行い、
などについて確認することで検証できます。
さらに、開封やクリックについても、配信ごとではなく、一定期間の配信結果をもとに分析することにより、まったく異なった切り口で、メールコミュニケーションの評価を行うことができます。
具体的には、
などを調査します。
一定期間でのアクション状況、例えば、直近10回の配信のうち何回開封したかを調べると、10回開封しているコアな読者から、数回開封している読者、さらに、1回も開封していない休眠状態の読者数が明らかになり、読者の活性度を把握することができます。
また、登録タイミング別アクション状況の分析では、読者を登録月ごとにグループ化し、各グループごとの開封とクリックの状況を比較します。一般的 に、最近登録した読者グループの方が活性度が高く、数年前に登録した読者グループは活性度が低い傾向があり、読者の経年劣化の状況がわかります。
さらに、登録経路別の開封やクリックの状況を知ることで、長期的な関係構築ができている読者がどのような登録経路から来た人なのかなどを把握することができます。
申込数が多かったキャンペーンでも、実はそのキャンペーンがきっかけで読者になった人は、その後のメールの開封・クリック状況が良くなく、企業にとって良い見込客・顧客層ではなかったようだ、というようなことがわかることもあります。
上記のように、ログデータ分析やアンケート分析によって、個別のメールへの反応のみならず、メールコミュニケーション施策全体の評価や、見込客・顧客のレベルアップ状況の評価をしっかり行えば、おのずと次に行うべきアクションが見えてくることも多いようです。
メールコミュニケーションの効果をどのように向上させていくべきか見えなくなった際には、まずは現状をしっかりと分析するところから始められてはいかがでしょうか?
エクスペリアンジャパンでは、コンサルティンググループを中心に、様々なクライアント企業において効果検証プロジェクトを進めさせていただいています。 効果検証について社内で行き詰った時には、ぜひお問い合わせください。
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