マーケティングコラム

2018年10月24日

データスキャンダル多発時代に考える『消費者の信頼を失わない個人情報の取り扱い』

不気味に思われないために データプライバシーについてマーケターが考慮すべきこと

国家安全保障局(NSA)のスノーデン事件やケンブリッジ・アナリティカによるフェイスブックデータ不正収集疑惑などの近年発生したデータスキャンダルは、個人情報の安全性について世間の関心を高めるとともに、消費者を不安に陥れました。

この事実はマーケターを厳しい状況へ追い込みました。消費者は企業に対して、シームレスかつパーソナライズされたクロスチャネル体験を期待していますが、その実現には多くの消費者データを集めて管理する必要があります。しかし、消費者はその体験を望む一方で、個人情報の取り扱いについて警戒を募らせているのです。

チーターデジタルの戦略サービス部門シニアディレクターJacob Davis「マーケティングの歴史の中で、企業への信頼は過去10年間で最低レベルと言えます」と述べています。

「データスキャンダルが起きたとき、企業、特にデータを取り扱うマーケターに消費者の怒りの矛先が向くのは、想像に難しくありません」
マーケターはただ現状を嘆くのではなく、この機会を自社のマーケティング活動を振り返り、消費者の信頼を得られるマーケティングを行うチャンスにするべきです。

失われ続ける信頼

では、マーケターが消費者との信頼関係を築くにはどうすればよいでしょうか?

Davisは「消費者との信頼を築くという考え方は問題ではない」といいます。
「問題なのは、失う量と同じ程度の信頼も構築できていないという点です。フォームに入力するなど消費者が自ら自身の情報を提供した時点では、彼らはその企業を信頼しています。しかし、私たちは多くの企業がその信頼を急速に失っているのを目の当たりにしてきました」

信頼がどのように失われるのか、Davisはこう続けます。

「信頼は、データの不正取得や利用、データの誤りや欠如によって失われます。例えば、名前を聞かれたのにも関わらず、別の名前で呼びかけられれば、消費者が不審感を抱くのは当たり前です。
マーケターがその手法で消費者とコミュニケーションを取っているのはなぜか、その理由を考えなければ、誤ったチャネルでデータを共有してしまう、連絡しないでほしいと言われた相手にメールを送ってしまうなど、データの誤用を招いてしまいます

さらに、マーケティングコミュニケーションが消費者にとって不気味なものになると、信頼の低下は加速していきます。Davisは次のように付け加えました。
「コミュニケーションの不気味さは最大の失敗といえます。不気味さが生まれる原因は、そもそもなぜ消費者とコミュニケーションを取りたいのか、マーケター自身がわかっていないことにあります」

透明性を保ち、消費者自身がデータをコントロールできるように

ワシントン大学でマーケティングの教鞭をとるRobert Palmatier教授は、消費者の信頼とデータプライバシーに関する研究を行い、最も重要な2つの要素が『透明性』と『コントロール』であることを発見しました。Palmatier教授は次のように述べています。「信頼を築く最善の方法は、使用しないデータは収集しない、データをどのように使用するかを明確にする、そして消費者自身がデータをコントロールできるようにすることです」

データ収集は本質的には信頼を低下させる行為だと教授はいいます。
データを収集するだけでは、信頼関係に悪影響を及ぼします。しかし、『透明性』と『コントロール』によってその悪影響を抑えることができます

企業は『収集したどのデータがどのように使用されるかを明確にする』『アクセス可能なオプトアウトプロセスや堅牢なプリファレンスセンターを通じて、データの取り扱いの問題について消費者に発言権を与える』必要があります。
「消費者は時間を無駄にはしたくありません。データを使って消費者の体験をカスタマイズする意図をわかりやすく伝えれば、データ活用の価値があると示すことができます」とPalmatier教授は述べています。

企業が進んで意図を伝えることにより、データを誤用されるのではないかという消費者の不安は小さくなりますが、マーケターが消費者にデータ誤用しないことを約束することは不可欠です。
チーターデジタルのDavisは次のようにいいます。「データ取得のプロセス全体でこのような方針を伝え始めると、それが組織全体に浸透するようになります。そして、例えば消費者に名前を尋ねる理由がパーソナライズであることを伝えた場合、どのようにコミュニケーションをパーソナライズすることができるかを考える必要があります」

データを共有する消費者のメリットを示す

消費者のデータを収集するには、自身のデータを企業に共有したいと思わせるメリットが必要です。そのメリットはさまざまなものが考えられます。Davisは、それを『消費者が彼らのデータを共有しているからこそ得られるユニークな価値』と定義しています。メールアドレスのようなものを共有する場合には、消費者が得られるメリットを明確に伝える必要があるのです

言い換えると、オプトアウトを選択した場合、消費者は何を失うことになるのでしょうか?

メールアドレスを登録すると割引を受けられるなど、インセンティブは金銭的なものでも構いません。しかし、それだけがメリットではなく、データの価値が高いほど長期的なメリットは大きくなります。
「割引だけでは消費者との強い関係を築くことはできず、適切にコミュニケーションを取ることはできません」と、Davisはいいます。「消費者が企業のコンテンツやシステム、広告にアクセスして、自身単体よりも大きなカルチャーの一部であると消費者に感じさせることができたなら、彼らに対して適切な方法でマーケティング活動をしているということになります」

この考え方は、常に最優先事項でなければなりません。どうすれば消費者がデータ活用の恩恵を受けられるかを真に最優先に考えなければ、消費者を優先しているとはいえません。

失った信頼を取り戻すには

ここまでの注意点すべてに気を配っていたとしても、信頼が失われることもあります。消費者の信頼を失ってしまったかを知るにはどうすれば良いでしょうか。

Davisは次のように述べています。「心配している時点で、すでに消費者データの信頼を失っている可能性は高いです。あなたがそのような状況に立たされているのであれば、信頼を失ったことを認めて、真摯に現状に向き合うことが最も重要なステップです。そして、次のステップは、消費者との約束をしっかり果たすことです。魅力的でパーソナライズされたクロスチャネルコミュニケーションを実現させましょう」

現在、個人情報の取り扱いにおける企業への信頼は最低レベルかもしれませんが、今後風向きは変わるとDavisは予想しています。

「Facebookのような大規模なデータを取り扱う企業がデータ取り扱いの非を認めた今、企業には今まで以上に『透明性』が求められています。こうした影響を受け、今後はより適切な方法で消費者を扱うことが、企業に対して法的に義務付けられているという認識がより高まるでしょう。消費者の信頼は最低レベルに近づいているかもしれませんが、そう遠くない未来その信頼を回復できるはずです」


Max Totsky
Cheetah Digitalのコンテンツチームメンバー。ブログ、マーケティングキャンペーン、ソートリーダーシップのためのコンテンツを作成および編集しています。ノースウェスタン大学で経済学とジャーナリズムを学ぶ学生でもあります。
Max Totsky

※この記事はチーターデジタルグローバルサイトに掲載されている記事を翻訳したものです。
※本記事の内容は公開当時のものであり、現在と内容が異なる場合があります。

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