マーケティングコラム

2018年10月17日

不気味に思われないために データプライバシーについてマーケターが考慮すべきこと

不気味に思われないために データプライバシーについてマーケターが考慮すべきこと

向き合わなければならない現実があります。それは、マーケターが素晴らしいと感じる革新的なデータ収集方法は、消費者にとっては不気味に感じる場合があるということです。ターゲットを絞った広告とパーソナライズされたメールが当たり前になってきている中、消費者は監視されているという恐怖感を募らせやすくなっているのです。

この恐怖感は今に始まったものではありません。2002年に公開された、スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『マイノリティ・リポート』では、その人のためにつくられた広告がホログラムとして地面から現れて、名前を呼び注意を引くというプライバシー保護時代後のデジタルディストピアが描かれています。15年前には SF だと思われたものが、今では現実を誇張したものにすぎなくなっています。マーケターには、消費者のプライバシーに関する要望を理解し、尊重する責任があります。

Cheetah DigitalのレジデントプライバシーアナリストであるAlex Krylovは、最初のステップは『現実に向き合うこと』だといいます。彼は「法律の制定者は、消費者の最善の利益と考えられるものに介入し、保護する必要性を感じています。これは、GDPR [EU一般データ保護規則] のような規格に向けた世界的な動きの中核なのです」と語り、オンラインプライバシーがこれまで以上に重要視されているという事実を強調しています。

コロラド州立大学マーケティングのKelly Martin准教授は、新しいマーケティングツールがこの恐怖をどのように煽るかを強調しています。同氏は、「音声解析が次の大きな顧客の反発を引き起こす可能性がある」と予測しています。これは、マーケターが前進するために意識すべきセンシティブな注意点のひとつです。法律上の助言ではありませんが、KrylovやMartin氏のような専門家は、この新しい時代にどうすれば賢明に進むことができるのか、私たちマーケターにアドバイスを与えてくれます。

メールアドレスの背後にいる『人』を忘れないように

マーケターが最初に考えるべきなのは「このデータは本当に必要か?」ということだと、Krylovはいいます。

一般的に「データが多いこと=良いこと」というアプローチに安易に陥りがちですが、Krylovは、マーケターはデータが多すぎることのリスクを考慮する必要があると指摘しています。「GDPR第5条を見るだけでも、特定の目的に照らしてデータ収集のニーズを評価し、データの利用と消費者の権利および利益とのバランスを取ることが求められていることがわかります。」正当な理由のない収集は、この原則に反します。

またMartin氏は、データを最小限に抑えることは顧客とそのプライバシーを真に価値あるものにするための優れたアプローチであるだけでなく、作業やコストの観点からも効率的で優れたアプローチだと主張しています。「マーケターは、何をする場合にも顧客をすべての中心に置くと、最も効果的にデータプライバシーを管理できます。」

そしてKrylovは、次のようにも述べています。「データのプライバシーとはデータのリスクを最小限に抑えることだけではありません。マーケターは、メールアドレスとモバイルデバイスIDの背後には実際の『人』がいることを念頭に置く必要があり、それを踏まえたうえで個人情報をどのように取り扱うかが重要です。」

パーソナライゼーションと不気味さの境界を認識する

Krylovから見ると、2002年にスピルバーグが描いたディストピアは、実現する可能性からそれほど離れているわけではありません。彼は次のように語っています。「『マイノリティ・リポート』のような広告体験を受けたいと思っている人はほとんどいませんが、現実には、過剰な『ビッグデータ』と予測分析機能により、企業のマーケティングはそれにかなり近づいています。」

パーソナライゼーションを褒めちぎるのは簡単ですが、パーソナライズと過度な押しつけや不気味さの境界を認識することが不可欠です。「有望なオーディエンスセグメントを確実なオファーでターゲティングすることと、消費者のあらゆる行動履歴を分析してまるで消費者のゴミ箱を漁るようなことの間には大きな違いがあります。」自分の顧客をどれだけ良く知っているかを示したくなるかもしれませんが、マーケティング活動による不快な驚きを期待する人などいません。「うま味を我慢するのは難しいですが、プライバシーとのバランスを取るためには気配りと自制が必要です。」と、Krylovはいいます。

また、Martin氏は次のように語っています。「顧客が情報を知られすぎていると感じたり、皆さんが主力事業と一貫性のない方法でパーソナライズしていたりする場合は、不気味さを感じさせる一歩手前まで近づいています。」もちろん、脈絡は重要です。しかし、Martin氏は「顧客は、健康状態に関する情報や財務情報が含まれるようなセンシティブな内容において、特に気味が悪いという気持ちが高まります。」と指摘します。

堅牢で明確なプライバシーポリシー

顧客とオープンで透明性の高い関係を構築するための最も具体的な方法は、プライバシーポリシーの構築です。「プライバシーポリシーは、個人情報が企業によってどのように取り扱われているかについて、消費者との対話するための最良の手段となっています。それは、個人情報がどのように保護され、どの程度の期間保持されているかなど、さまざまな法的開示要件を満たしているものです。」と、Krylovは言います。「アプリに道案内をしてもらう際にGoogleマップが表示するような、その時々の情報開示の許諾を得るためのメッセージは、プライバシーに関する同意を得るためのひとつの例です」と、彼は付け加えました。

Martin氏の調査によると、プライバシーポリシーとは会社が実際にプライバシーをどのように扱っているかを自然に拡張したものであることがわかっています。どのデータを収集するのか、それをどのように使用するのか、顧客がどの程度それを管理できるのかをプライバシーポリシーによって伝えます。「プライバシーポリシーを読みやすく、理解しやすくする以上のことを行う企業は、データ収集に対する顧客の否定的な反応が少ない傾向にあります。」とMartin氏はいいます。

また同氏は、プライバシーポリシーは法律の盾としてのみ機能してはならないとも指摘しています。プライバシーへの取り組みが、企業のあらゆる側面と整合性がとれていなければなりません。「プライバシーポリシーの作成は、ITチームやマーケティングチームは必ずしも関与しておらず、会社の法務チームの仕事となってることが多いです。実際には会社内の多くの関係者が関与しなければならないにもかかわらず、一般的には単なる法的文書とみなされています。顧客に最も近い部門が、その作成と導入において相当な情報を提供すべきです。」

ただし、プライバシーポリシーがあればいいというわけではないことを、マーケターは最初から念頭に置く必要があります。Krylovは次のように言います。「ポリシー自体はただの文書です。GDPR時代のプライバシーとは、製品の革新、ビジネス管理、パートナーシップの決定にプライバシー保護戦略を取り入れることです。」

忠実にデータの優先順位付けをする

データプライバシーを考えるときは、会社の焦点、価値創造、そしてコミュニケーション機能を常に強調しなければなりません。Martin氏は次のように述べています。「自然な付加価値を顧客が認識できるような明快で透明性の高い方法で個人データが抽出されると、結果として企業は利益を得ることができるでしょう。しかし、企業が事業活動に直接関係する情報だけを求めると、顧客はうんざりするのです。」消費者がマーケターを不気味で詮索好きな悪人と捉える状況を避けるためには、あらゆる段階で顧客のことを思いやる必要があります。


Max Totsky
Cheetah Digitalのコンテンツチームメンバー。ブログ、マーケティングキャンペーン、ソートリーダーシップのためのコンテンツを作成および編集しています。ノースウェスタン大学で経済学とジャーナリズムを学ぶ学生でもあります。
Max Totsky

※この記事はチーターデジタルグローバルサイトに掲載されている記事を翻訳したものです。
※本記事の内容は公開当時のものであり、現在と内容が異なる場合があります。

売の点と点をつなぐ:データ、メール、顧客体験、そしてそれらの無視できない関係

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