マーケティングコラム

2016年07月12日

【特別対談】本音トーク「動画マーケティングの進む道」~LOCUS×エクスペリアンジャパン~(後編)

2016年、動画マーケティングはどのような変化を遂げていくのか?動画制作で長年業界をリードし続けるLOCUSの満留氏と、デジタルマーケティングの支援事業を行うエクスペリアンジャパンの吉澤が、今後の動画マーケティングについて”本音トーク”を展開する対談の後編です。

LOCUS×エクスペリアンジャパン対談01

左:エクスペリアンジャパン株式会社 エバンジェリスト 吉澤和之
右:株式会社LOCUS 経営企画室 マーケティングsec チーフ 満留 幸治

―やはりそうすると、CTRなどの効果も高くなるんですか?

吉澤:ここは正直、明確な回答がしづらいんですよね。僕は最初、動画なんだから当然クリックが上がるだろうと踏んでたんです。でもいざA/Bテストしてみると、動画と静止画では、動画のほうがクリック率が悪いことが結構多いんです。

もちろんクリックがよくなるケースもあるんですけどね。で、なんでだろうな~と思って色々考えたんですが、そもそも動画がクリックできるという意識が消費者の頭の中にまだないんじゃないか、っていう仮説に至ったんですね。動いている動画をみて、それで完結、みたいな。もちろん色んな工夫をすればクリック率を上げることはできますけど…

―なるほど。そういう仮説も考えられますね。その他の指標はどうなんでしょうか?

吉澤:これまで実施したA/Bテストでわかってきたことは、クリック率は悪いのに、ランディングページの滞在時間はすごく改善されました!っていうお客様もいれば、クリック率は全然変わらないけど、コンバージョンが5倍です!みたいなお客様もいました。結構どのクライアントもそういう傾向なんです。

―それはどういうことなんでしょうか?

吉澤:最近分かってきたんですが、ブランディング系の動画や、よりライトなバズ動画などは直帰率や回遊率を改善させることが多いんです。動画自体が抽象的だったり、商品について一切触れていないことが多いため、かえって詳細が知りたくなるというか。だからクリックした先のランディングページで、よりその情報を知ろうとする心理が働く、つまり滞在時間が長くなる、というロジックですね。

―それは面白いですね

吉澤:一方ECサイトのキャンペーン系の動画メールの場合は、コンバージョンが良くなることが多いです。動画を見たことでそのキャンペーンについて長く記憶に留まり、購買意欲も増すことで結果的に購入率が上がるという感じです。

実際にお客様のデータを分析してみると、メール配信後3~4日後に再度メール経由で商品を購入するケースも多かったです。つまり、単にCTRだけみるのはNGで、きちんと動画の特性、配信の目的、検証ポイントを見定めましょうということです。

―先ほどの話の通り、動画を戦略的に使うためには、プランニングができる人材の育成が必要ということですね

満留:だと思います。最近は動画を気軽に作れるプラットフォームが多くなってますし、それだけならコストも非常に安いでしょう。でも、戦略設計というか、マーケティングの各フェーズに合わせてどういう動画を作るかっていうところがポイントで、そういうスキルは今後どの企業も必要になるでしょうね。

吉澤:だからこそ、我々のようなデジタルマーケティングの支援会社と、LOCUSさんのような動画制作会社のプロフェッショナルがタッグを組んで、そういう市場というか、人材育成も含めて啓蒙していかないといけないと思っています。

満留:確かに、そういう流れは必要ですよね。弊社も実際、営業サイドにいるメンバーはデジタルエージェンシー出身が多かったりしますし。

覚えておきたいCRMで必要となる動画マーケティングのポイント

―次に動画のトレンドについて伺いたいんですが、いま注目しているツールとかは何かありますか?

満留:やはり縦動画じゃないでしょうか。あれにはいろんなヒントが隠されていますね。スマートフォンを完全に意識した動画だと思いますが、スマホのスクリーンって没入感があるというか、距離がすごい近いんですよね。パソコンともタブレットとも違って。その心理をうまく活用すれば、縦動画は色んな効果を生むでしょうね。

吉澤:縦動画は確かにいいなあ。よくよく考えると単に縦で動画を作ってるだけなんですが、実は色んなクリエイティブが表現できるというか。動画の表現幅が劇的に広がった印象がありますね。

LOCUS×エクスペリアンジャパン対談01

―吉澤さんは何かありますか?

吉澤:そうだなあ。ちょっとトレンドっていう観点からは外れちゃうんですが、インバウンドマーケティングツールを提供してる海外のHubSpotという会社があって、そこがコンテンツマーケティングが上手で、その一環で動画マーケティングも結構積極的にやってるんですね。

彼らが何をやったかというと、メルマガ専用のおもしろ動画を作って、メールをトリガーにしてソーシャルなどに拡散させるということをしたんです。普通逆じゃないですか。さっきも言いましたけど、広告用に作った動画をメールで利用するっていうのが当たり前の中、この会社はメール専用に動画を作って、それを広告に活用したんですね。全く真逆のパターン。さすがインバウンドマーケティングの会社だなって感じです。

―なるほど。広告での動画活用はある程度普及していますが、これからはCRMの領域で普及が進む、という話だと思いますが、CRM領域で効果のある動画を打ち出すにはどうすればいいでしょうか?

吉澤:そうですね、そもそもCRMの場合、色んなお客様とコミュニケーションをとらないといけないんです。広告の場合って、基本「初対面」か「なんか知ってるな」程度じゃないですか。でもCRMの場合、ロイヤルカスタマー、リピーター、最近商品を購入してくれたビジター、ちょっと興味がある程度のパーティシパント(参加者)、そしてもういまは接点のないスリープユーザーという感じで、いくつもの階層が存在します。自分の友達に例えたら分かりやすいですよ。

  • ロイヤルカスタマー=恋人
  • リピーター=親しい友人
  • ビジター=最近できた友人
  • パーティパント=顔見知り
  • スリープユーザー=過去の友人

もうお判りかと思いますが、どのステータスの顧客に対してどういう動画を出すか、というのがCRMにおける動画マーケティングでは重要なポイントです。例えば「具体的な商品説明の動画を作って商品の良さを認知してもらう」っていう目的で動画を作ったとしても、スリープユーザーとかパーティパントはあまり興味がありませんよね。彼らはどちらかというと、具体性のあることはどうでもよくて、むしろそこまで興味がなくて、もっとゆるーくつながりを持っていればそれでいいんです。バズ動画とかはまさにその層へアプローチすべきものです。

―なるほど

吉澤:例えば僕がセミナーで講演していたとして、終わりに一回名刺交換しただけ、っていう人が、僕の性格とかプライベートなことを知りたいと思います?絶対思わないでしょ?(笑)

満留:わからないですよ?(笑)

吉澤:冗談言わないでくださいよ(笑)僕はタイ料理が大好きなんですが、顔見知り程度の人に向かって「僕タイ料理好きなんで、今度おいしいタイ料理屋さんいきましょう!」なんて言ったら、「はあ(?)」ってなるに決まってますよね。でも親しい友人だったら無条件で「いいよ~」って受け入れてくれるはず。よほどその人がタイ料理苦手じゃない限り。そういうことです。

LOCUS×エクスペリアンジャパン対談02

満留:どういうことですか?(笑)

吉澤:もういいです(笑)

―話をもどしましょうか(笑)満留さんはなにかありますか?

満留:やはりパーソナライズド動画じゃないでしょうか。ひとりひとり異なる動画を大量自動生成できる技術です。日本でも少しずつ市場が作られている実感がありますね。有名な事例だと、サンデースカイ社が取り組んだ海外のホテルの事例じゃないでしょうか。

LOCUS×エクスペリアンジャパン対談03

旅行前に、ツアー参加者に対して「あなたの申し込んだホテルはどこどこで、いつから何日間滞在します」「オプショナルは~~で」という具合でパーソナライズされた動画が流れる。こうした動画は、顧客エンゲージメント向上に大きく貢献するんじゃないかなと思います。特にCRM領域では注目すべきツールです。

吉澤:他にも色んな用途で使えそうですよね。健康診断のカルテ結果とか、保険会社さんのライフプランニングとか。日本でも大和ハウス工業さんの事例がありましたよね。Livepassさんっていう日本の会社が提供してましたよね。住宅展示場の案内をパーナライズド動画で配信するっていう施策で。

満留:ありましたね。あれはすごかったです。効果はきっと出るんだと思います。すごく革新的ですし。あとは、コストの問題ですよね。パーソナライズド動画はまだまだ単価の高いビジネスだと思うので、市場が拡大すればそれなりに使える値段まで落ちてくるんじゃないかなと思います。

吉澤:コスト下がるといいですね~。ぐっと使いやすくなる。それでいうと、パーソナライズドに限らず、動画制作のコスト自体も安価なサービスがたくさん出てきてますよね。御社も出してますよね?あの、ほら、テンプレート化されててそこにはめ込んでいくやつ。

満留:FastVideo(ファストビデオ)のことですか?(笑)宣伝になっちゃいますね。

吉澤:そう仕向けてみました(笑)

満留:確かに、我々のFastVideoもそうですが、テンプレートをもとに簡易的に動画制作ができるツールを使って動画を量産する企業は徐々に増えてますよ。たいていは外注しているコストがないから、内製したいっていうニーズですね。そういうツールを使えば1本1万円程度で制作自体はできます。

吉澤:あとは先ほどお話されていたように、戦略的に動画を生かせる人材が必要ってことですよね。動画制作の目的をしっかり設定できる人。

満留:おっしゃる通りです。

2016年の動画マーケティングはどうなる?

―では最後の質問です。ずばり2016年、動画マーケティングはどうなりますか?

満留:やっぱりCRM動画マーケティングじゃないですか?(笑)

吉澤:いいパスきましたね(笑)

満留:いや、でも本当に、広告での動画活用がだんだんと落ち着き始めた中で、CRMの領域での動画の使われ方には注目がされると思います。きちんとカスタマーに対してしっかりとリードナーチャリング、クロスセルを仕掛けていく、そのための動画活用というのは今年のテーマだと思いますね。

LOCUS×エクスペリアンジャパン対談04

BtoBでも同様です。例えば見込みの薄い100件のアプローチリストよりも、営業部門としては1件中1件の契約見込みが欲しいじゃないですか。マーケティングオートメーションは、その1件を探し出すためのツールですよね。いかに見込み顧客へ引き上げるか、営業へ適切なパスが出せるか。そういう過程において、どう動画が活かされるべきか、という議論は今年活発になるんじゃないかな。

―吉澤さんはいかがでしょうか?

吉澤:そうですね、僕も色々考えてはいるんですけど、ざっくり言うと勝ち組と負け組がはっきりしてくる年だと思います。

昨年までは何となく、業界内でガヤガヤしているという感じだったけど、きちんと戦略を立てられるか、地に足つけて取り組めるか、最大限動画のメリットを生かせるかどうか、っていう意識で動画マーケティングと対峙しないと、ついていけなくなる。企業によって各社明暗が分かれてくる頃だと思います。ツールはある程度出揃った。ハード面は安定してきている。あとはそれをどう利用し、自社のコンテンツパワーを出し切れるか。その分岐点というか、ターニングポイントの年だと思います。

LOCUS×エクスペリアンジャパン対談05

―なるほど。とても面白い内容でした。ありがとうございました

満留:ありがとうございました。

吉澤:ありがとうございました。

※本記事の内容は公開当時のものであり、現在と内容が異なる場合があります。

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