マーケティングコラム

2012年07月19日

メールアドレスを獲得するウェブキャンペーンでのポイント

新商品の発売やブランディング等のキャンペーンを行う場合は、ウェブを利用したプロモーションや、メールアドレス・個人情報等を取得するフローが一般的です。今回はその中でも、ウェブのフォームを利用したメールアドレスの獲得を伴うキャンペーンにおいて考慮・注意すべきポイントを、下記のフェーズごとにご説明します。

ウェブキャンペーンの準備・実行は、下記の4フェーズに分かれます。

  1. ウェブキャンペーンプランニング
  2. ウェブキャンペーンシステム設定
  3. ウェブキャンペーン運用
  4. ウェブキャンペーン終了後対応

1.ウェブキャンペーンプランニング

・メールアドレスの獲得目的とターゲットの明確化

ウェブキャンペーンにおいてメールアドレスを獲得する主な目的は、その後のCRM施策に繋げていくことにあります。メールアドレスを獲得することによって、多くの場合、顧客ピラミッドにおける潜在顧客(キャンペーン実施企業において顧客データを取得していない状態)から、見込客(顧客ではないが、顧客データや接点を確保した状態)へと一段階引き上げることができます。

ダイレクトマーケティングの師といわれるレスター・ワンダーマンが提唱する「成功する会社が知らねばならない20のルール」にある、『「サスペクツ(不確定見込客)」は「プロスペクツ(見込客)」ではない』に従うと、まだ「サスペクツ」という段階である層も多く混在している状態とはなりますが、少なくともそのキャンペーン実施企業がメール配信することへ同意しており、かつメール配信等によるその後のCRM施策・アプローチを行える状態にあるということは、次のステップである「顧客化」へ近づいたことを意味します。

メールアドレスを獲得する際に検討しなければならないのは、獲得するメールアドレスの質と量のバランスです。高額なプレゼントをフックにしたり、積極的に媒体出稿を行ったりすれば多くのメールアドレスを集められる可能性も高く、また、獲得したアドレス数のみで集客担当者が評価されたりすることもしばしばみられます。

しかし、ウェブキャンペーン~CRM施策全体のROIを考えたときには、メールアドレス獲得数だけを目的にしてしまうと、管理コストが掛かるだけで売上などの成果へと繋がらないリストになってしまいがちです。一方で、質を重視しターゲットを絞り込みすぎるあまり、メールアドレスの数が集まらないとなると、どうしてもその後の施策での効果が出にくくなってしまいます。そのため、獲得するメールアドレスの質と量のバランスをとれる企画を立てていくことがポイントとなります。  

・キャンペーンの種類(オープン・クローズド)とインセンティブの決定

キャンペーンには、商品購入・会員登録の有無に関係なく応募できる「オープン懸賞」と、商品購入者など、特定の人だけが応募できる「クローズド懸賞」の2種類があり、景品表示法上の扱いも異なります。メールアドレス獲得の場合は、一見すると商品購入とは関係のないオープン懸賞と見られがちですが、メールアドレス登録や会員登録と引き換えにプレゼント応募を受け付けしている場合は景品表示法上ではクローズド懸賞の一般懸賞に該当します。

景品表示法は、一般懸賞の「景品額の上限」と「景品額の総額の上限」を下記のように定めています。

  • 取引価額5,000円以上の場合……景品額の上限は10万円
  • 取引価額5,000円以下の場合……景品額の上限は取引価額の20倍
  • どちらの場合も、景品の総額は、懸賞に係る売上予定総額の2%を上限とする

また、総付やベタ付けと呼ばれる、応募者全員プレゼントの場合は、取引価額の10分の2まで(商品価額が1,000円未満の場合は200円)と定められています。メールアドレス獲得は無料ということも多いため、キャンペーン時の取引価額をどう設定すればよいか、景品額の上限判断に迷う場合は公正取引委員会に質問するのも一つの方法です。

インセンティブは、「高額なものを少数」か「低額でも多数に当選する」かのどちらかにすると、弊社の経験上、応募者数が増加しやすい傾向があります。また、賞品選定にあたっては、一般的には現金・金券が最も反響は出やすいものの、スマートではないというイメージもあるため、クオカードやオンラインギフト券がよいでしょう。次に人気があるのはデジタル商品で、限定物や非売品なども効果があります。自社商品プレゼントというインセンティブも、自社に関心がある(潜在)層=ターゲットユーザーを獲得できますし、原価的にも割安で費用対効果が出やすくなりお勧めです。

2.ウェブキャンペーンシステム設定

・応募画面・データベース

まず、ウェブキャンペーンの詳細や応募規約を記載したウェブページの制作、さらにそれらのページをホスティングするためのドメイン取得、ホスティングサーバやデータベースの準備が必要です。ドメインは手入力でもキャンペーンサイトにアクセスしやすいように短めのものを取得することがお勧めです。個人情報利用目的の明記や、獲得したメールアドレスに対してメールマガジン等を配信する場合の許諾を取得することも忘れてはいけません。

次に、ウェブキャンペーン応募画面や、モバイル端末からの応募を想定する場合は空メールアドレス・QRコードの準備が必要となります。その際、短期的なウェブキャンペーンの場合でもメールアドレス登録フォーム設定でも、ASP/SaaS形態で提供されているサービスが最もコストパフォーマンスや信頼性に優れており、低価格で暗号化通信環境も確保できます。

フォーム機能を持つASP/SaaSの中には、登録項目の必須/任意の選択や入力桁数制限、メールアドレスの形式チェック等の設定を管理画面上で行えるもあり、こうした機能を活用することで登録情報の精度を向上させることができるでしょう。獲得するデータのデータベース項目はキャンペーンだけで利用するものだけではなく、終了後のCRM施策の全体プランを基に決定します。登録項目が多ければデータを基にした施策の精度向上が可能ですが、登録率は下がってしまうなどのデメリットもあるため、総合的に検討しなければなりません。

ASP/SaaSは管理画面上で応募画面やデータベースの設定が可能であることが多いため、短期間で簡単に設定ができると思われがちですが、特にモバイルに関しては、スマートフォンを考慮した画面設計や、通信キャリア・端末に合わせた画面制作・識別・テストが必要となるため、準備期間を十分に確保しておく必要があります。

・応募画面設定の際の注意点

応募画面の設定の際は、A.アクセス集中に備えた対応、B.ドメイン指定受信解除の案内について特に注意が必要です。

A.アクセス集中に備えた対応:

アクセス集中とは、特にテレビ(CM)などのマスメディアへの露出や自社ユーザー向けのメールマガジン配信後などに、短期間に多数のアクセスが集中して応募フォームをホスティングするサーバがダウンしたり、つながりにくくなったりすることです。せっかく応募しようと来訪したユーザーも、画面の反応速度が遅いと離脱してしまい、二度と訪れてくれないかもしれません。同じ低価格のサービスでもレンタルサーバなどではなくASP/SaaSであれば、一定規模のアクセス集中には耐えられるように設計されているケースが多く、既に実績もあれば安心して任せられるでしょう。

B.ドメイン指定受信解除の案内:

モバイル端末からの登録の場合は、登録作業の簡易化のために空メール・QRコードを利用しますが、紙媒体や登録画面上に、注意事項としてドメイン指定受信の解除について記載しておく必要があります。通信キャリア側の迷惑メール対策でドメイン指定受信を勧めていることもあり、ドメイン指定を行っている受信者は増加傾向にあります。ドメイン指定受信が行われている場合、普段やりとりの発生しない企業やキャンペーンのドメイン・メールアドレスからメールが配信されても、迷惑メールフィルターに引っかかってしまい、登録完了した(つもりである)もののメールが届かない可能性があります。対応策として、通信キャリア別にドメイン指定受信解除方法の案内を説明した紙・ウェブページを用意するというものがあります。

また、店舗での集客を行っている場合は、店舗担当者へのドメイン指定受信解除方法手順の教育により、店舗の稼働を下げつつお客様の不満や離脱につながらないようにすることも検討する必要があります。

3.ウェブキャンペーン運用

・応募状況の把握

応募フォーム・データベースがきちんと稼働していることが確認できるようにすることと、キャンペーンページへの流入数や応募数などの数値把握が最低限の条件になります。日別に応募数を把握できるようにするほか、可能であればチャネルごとの応募数の増減や、曜日や時間帯ごとの応募状況も確認し、異常値がある場合は原因を究明して対策が立てられるようにするとよいでしょう。また、細かく状況を把握できるようにしておくことで、例えば目標値に合わせた広告出稿(媒体やメッセージなど)の再検討も行うことができます。

・問い合わせ事務局対応

応募するお客様への対応として、キャンペーン問い合わせ事務局を設けることがあります。問い合わせフォームを設置した上でメールのみで対応するケースが多いようですが、その際には、問い合わせ対応マニュアルやエスカレーションルール、対応曜日・時間等を事前にしっかりと決めておくことが重要です。運用開始前に対応策をパターン別にしっかりと決めておければ、迅速かつ的確にユーザーへの案内を行えますし、問い合わせ数そのものを減らすことができるはずです。Q&Aページを用意してもいいでしょう。

4.ウェブキャンペーン終了後対応

ウェブキャンペーン終了後は、抽選業務や当選者の発表対応を行います。当選者の発表については、キャンペーン応募者の関心が高いため、当選者発表メールを流すなど発表の仕方を工夫することによってウェブサイトへの集客に役立ちます。

キャンペーンを通じて獲得した見込み客に対しては、メール配信やソーシャルメディアへの展開等で継続的コミュニケーションを行い、見込客から顧客への引上げなど、CRM施策への本格展開・LTV(顧客生涯価値)向上施策を展開していくことになります。その際、キャンペーン終了後のユーザーがまだ覚えている・フレッシュな段階でメールマーケティングなどの展開へとスムーズに繋げていくことが重要です。キャンペーン終了後、時間がたってから初めてメール受信をすると、登録した覚えがないなどと感じるユーザーが多くなり、メールマーケティングの効果も大きく下がってしまいます。

また、メールマーケティングをしばらく実施した後に、媒体別の登録者数とその質・特性についての効果分析を行えば、今後のキャンペーンプランニングにも生かすことができるでしょう。

2012年7月19日
(執筆者: 阿形 達志)

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