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マーケティングコラム

[エクスペリアンジャパン CEO 有田 × 立命館大学 矢野教授] ジオデモグラフィックデータの研究・活用事例とMosaic

郵便番号など居住地情報さえあれば、会員情報など既存の顧客データにライフスタイルを加味できる「Experian Mosaic Japan」。その消費者セグメンテーションデータの最新バージョンが2013年10月より提供開始となったことを記念し、立命館大学の矢野教授に弊社CEO有田がお話を伺いました。(文中敬称略)

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エクスペリアンジャパン CEO 有田 × adingo 立命館大学 矢野教授 スペシャル対談企画

右:有田 道生 Michio ARITA
エクスペリアンジャパン株式会社 代表取締役 CEO
1962年生まれ。早稲田大学理工学研究科修了。三菱総合研究所でシステムコンサルティングを経て、1999年12月にエイケア・システムズ株式会社を設立。「Japan Venture Awards 2009」起業家部門において、「旺盛なチャレンジ精神」「事業の新規性・革新性」「事業の成長性・将来性」「経済・社会への貢献度」の点で高い評価を受け、『経済産業大臣表彰』を受賞。2012年11月にエイケア・システムズ株式会社、株式会社アルトビジョン、Experian Japan K.K.の3社合併に伴い現職。

左:矢野 桂司 Keiji YANO
立命館大学文学部教授、博士(理学)
1961年生まれ、兵庫県出身。1988年東京都立大学大学院理学研究科地理学専攻博士課程中退後、1988年東京都立大学理学部助手、1992年立命館大学文学部助教授を経て、2002年から現職。現在、立命館大学アート・リサーチセンターセンター長、地理情報システム学会副会長、人文地理学会評議員、日本地理学会代議員、日本学術会議連携会員。専門は、人文地理学、地理情報科学。主要な著書:『地理情報システムの世界』(1999)ニュートンプレス、『デジタル地図を読む』(2006)ナカニシヤ出版、『バーチャル京都』(2007)共編、ナカニシヤ出版、『京都の歴史GIS』(2011)共編、ナカニシヤ出版など多数。

 

ジオデモグラフィックデータ先進国における活用事例

有田:この度はExperian Mosaic Japan(以下、Mosaic)の最新バージョンリリースに際し、各セグメンテーションのグループ、タイプの解説作成にご協力頂きありがとうございました。
Mosaicは先生もよくご存知の消費者セグメンテーションデータの世界的権威、リチャード・ウェバー氏(注1)監修の下、ジオデモグラフィック分析手法によって居住地における近隣の人々のタイプや生活スタイルで分類した「ジオデモグラフィックデータ」ですよね。その最もポピュラーな使い方は、企業の顧客リストの住所データに付け合わせ、既存顧客と同じタイプの人が住む地域への出店計画やポスティングだと思いますが、イギリスなど先進国ではどの様な活用シーンが見られますか?

矢野:国内の保険会社でも、教員・公務員など社会的責任が重い職業は保険料を下げるということは一般的ですが、イギリスの場合にはMosaicタイプで保険料が変わります。居住エリアによって事故率が変わるため、事故率の低いMosaicタイプの顧客に対しては保険料を相対的に下げる、といった形です。エリア・マーケティングでのSpatial Decision Making(空間的意思決定)のベース以外ですと、この様なリスク評価における活用が見られます。

立命館大学 矢野教授 エクスペリアンジャパン CEO 有田

有田:イギリスの事例がでましたが、Experian UKでは独自に公共機関向けのExperian Mosaic Public Sectorを提供しています。公共分野での活用事例をご存知でしたら教えてください。

矢野:Education(教育)、Health(健康)、Crime(犯罪)の3分野で活用されています。
Educationの分野では、大学へ入学するための総合出願機関であるUCAS(Universities & Colleges Admissions Service)がMosaicを使って成績を分析しています。一般的に所得格差や社会階層格差が学力の差を生み出していると言われていますが、成績が良いのはどのタイプかがハッキリするわけです。更にScholarship(奨学金)を誰に割り振るかについてもMosaicタイプを参照して誰に配分するか決めているという事例があります。

有田:それはすごいですね。国内でも教育機関で同様の取り組みはありますか?

矢野:国内では教育格差をあおりかねないためデータが出てきません。教育分野のハードルが最も高いですね。私自身も全国一斉学力テスト(注2)の結果をMosaicで分析・検証してみようと試みたことがありましたが、データが都道府県レベルまでしかないため難しいです。
ただ、高校の偏差値ランキングとジオデモ・タイプを合わせて傾向を分析した研究が発表されていますが、有名私学の小学校などの住所データがあれば、Mosaicを用いて、少子化の時代にどうやって学生を集めるかという点で今後利用される可能性はあるかもしれません。

エクスペリアンジャパン CEO 有田&立命館大学 矢野教授

有田:健康の分野はいかがでしょう?

矢野:イギリスでは乳がんの検診を促す際、Mosaicタイプ別に交通広告や戸別訪問など、情報の伝達手段を変えています。国内でも癌のリスクとして一般的に言われる貧困や運動量についてMosaicタイプで分析し、癌のリスクと癌の検診率との相関に関する研究が始まっています。

有田:犯罪管理は抑止策としての取り組みになりますか?警察の協力が必要ですね。

矢野:はい、事件の発生場所と犯罪のタイプを分析し、どの地域でどの様なタイプの犯罪が発生しやすいのか、例えば空き巣なのか車上荒らしなのかをMosaicタイプで把握します。それにより、警察がパトロールする際には事前に注意して、発生しやすい犯罪によって警告すべき内容を変えることが可能です。ただし国内では一部協力を得られたとしても、地点レベルの犯罪データはほとんど公開されませんね。

有田:ところでネット選挙解禁によりビッグデータの活用が注目されていますが、選挙における活用事例はありますか?

矢野:農村地域に保守派が多い、都市部に革新派が多い、という傾向を細かい単位で見る研究はされているようです。ただし投票コードが選挙区レベルよりも細かい町丁目レベルまでわからなければ、現実的な活用は難しいかもしれません。

イギリスと日本における普及とその背景

有田:イギリスにおける活用事例をお聞きしてきましたが、日本との普及度合いの背景にあるものは何でしょう?

矢野:イギリスではジオデモグラフィックデータが政府の手によって作られ、パブリックなオープンデータ、OAC(注3)として提供されています。空間単位が20万ほどと粗い状態ではあるものの、誰でも無料で利用できます。
また、日本では町丁目が20万に対し郵便番号は12万。一方、イギリスは郵便番号が200万もあり、番号1つに平均15世帯しかないため、かなりピンポイントでの精緻なライフスタイル特定が可能です。
他にもイギリスには全国をカバーするMosaic UKだけでなく、ロンドンだけを対象とした、Mosaic Londonなどもあります。日本においても東京大都市圏だけを対象としたきめ細かなMosaicも必要になってくるでしょう。

有田:なるほど。今後の展望として、普及を目的とした一定の情報開示や目的別、地域別のMosaicを検討する必要があるかもしれませんね。有意義なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

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*注1 リチャード・ウェバー(Richard Webber)
ロンドン大学キングス・カレッジ(King's College London, KCL)客員教授。1985年にCCN(現在のExperian)に入社し、英国で最初のジオデモグラフィクスであるMosaicを開発。

*注2 
2007年より日本全国の小中学校の最高学年(小学6年生、中学3年生)全員を対象として行われている、学力・学習状況の調査的性格のあるテスト。正式名称は全国学力・学習状況調査。

*注3 OAC
Output Area Classification

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